opinion

暗黙の前提の補足です

内田氏関連のエントリー*1での「労働は常にオーバーアチーブメント」というのは暗黙の前提がありました。それは利潤率が正(利潤が出ていること)です。昨日購入した『マルクスの使いみち』に以下の定理の説明が注の中にありました。 マルクスの基本定理 置…

blog「「壁の中」から」さんへのお返事

blog「「壁の中」から」さんよりTBをいただいたのでご返答申し上げます。 「壁の中」から 内田樹の言説の批判的検討・1 http://inthewall.blogtribe.org/entry-cf26922b3c299fc9e67f05569e22af83.html 内田樹の言説の批判的検討・2http://inthewall.blog…

内田樹氏のエントリー「不快という貨幣」関連の言説は「俗流若者論」か?

目次 0.前置き 1.araikenさんのご主張 2.kawakitaの前回のエントリーでの問題提起 3.「贈与」と「労働」は違うこと 4.「労働」とは常にどんな水準であれオーバーアチーブメントであること 5.「本質規定」と「規範」は違うこと、そして「人間的」…

J-WAVE『Growing Reed』「僕達の将来は明るいですか?」から考える「コミュニケーション能力」が必要とされる社会

id:rna:20060107さん情報にて、岡田准一さんがナビゲーターのラジオ番組J-WAVE『Growing Reed』の1月8日の放送に宮台真司氏がゲストで登場し「僕達の将来は明るいですか?」のテーマでお話をされるとのことで、僕も番組を聴きました。番組の対談の最後に現代…

仲正昌樹氏「北田暁大に告ぐ『諸君!』に出て何が悪い」を読む

様々な情報を掲載してくれている松浦大悟さんのBlog・不機嫌な日常で、本日発売の「諸君!」2006年2月号に、先日のトークセッションおよびその中止の顛末に関する仲正氏の「北田暁大に告ぐ『諸君!』に出て何が悪い」が掲載されているとの情報があったので、…

竹中平蔵氏のスタッフのエントリー:とってもマニア〜なコーナー

いつも参考にさせていただいているbewaad institute@kasumigasekiさん経由で知る。 bewaad institute@kasumigaseki 2005-11-02 [politics]21世紀のマーケッターは彼(女)らをB層と名付けたhttp://bewaad.com/20051102.html#p02 本気でこんなこと書いている…

映画『パッチギ!』の矮小化解釈に反論する

どうも井筒和幸監督の映画『パッチギ!』を「自虐史観映画」だの「朝鮮人側寄り」だのとせせこましい矮小化した解釈しかできな人がいるようなので、その解釈に反論してみたい*1。 超映画批評『パッチギ!』「朝鮮人には謝罪して、友達になっていただく」でい…

和製ミーガン法の導入に反対

いろいろまとめてみました。 2005-01-06 性犯罪前歴者の居住地、警察が把握できる制度新設へhttp://d.hatena.ne.jp/kwkt/20050106 2005-01-07 性犯罪前歴者の前歴者所在把握のみならず公表も?http://d.hatena.ne.jp/kwkt/20050107 「性犯罪者の再犯率は高い…

イベント参加後記

思い返せば、荒川区の問題を僕が初めて知った今年6月の北田暁大氏と宮台真司氏のトークイベントだった。そのとき宮台氏が言っていた80年代における見田宗介氏のエコロジカル・フェミニズム擁護を今後どう考えるかということが重要になってくると思われる。 …

個人的なことで政治的なこと

僕はかれこれ2年間ほど以下の属性を持った人と一緒に仕事をしている。男性、30代、既婚、都市中産階級、ビジネス最優先、ネオリベ的価値観、自民党支持、小泉支持、反サヨ、反フェミ、口癖は「日本を悪くしたのは朝日新聞と社会党と共産党」(笑)。こう書…

イラク人質事件追記 version2

昨日のエントリーにさらに加筆しましたのでversion2としました。 ========================================================== いろいろな方々の意見を読んでいて考えた。 4月の事件と今回の事件の大きな違いのひとつとして、4月の時点ではまだアメリカの行…

イラク人質事件追記

いろいろな方々の意見を読んでいて考えた。 4月の事件と今回の事件の大きな違いのひとつとして、4月の時点ではまだアメリカの行動に正統性があった「かも」しれないと言えたが、今回は正統性がなかった(大量破壊兵器を所持していなかった)とアメリカが認め…

イラク人質事件の反応

またもネット上ではイラク人質事件の論争が。概して人質バッシングが多いのは確か。いろいろ辿ってみて前回有効だった以下の図式で目安として分類してみる(違ってたらご指摘ください)。 ・自衛隊イラク派遣 [賛成/反対] ・今回の事件での自衛隊撤退 [賛成…

再度政府がイラクに「自衛隊」を「人道支援」で派遣する選択を行った意味

イラクに大量破壊兵器がある(orあった)という証拠はないと、信頼しきっているアメリカで報告されたにもかかわらず、自衛隊イラク派遣の正統性を問われることなくズルズル来てしまい、とうとう自衛隊撤退の機を完全に逸した感がある。人質で自衛隊の撤退の…

プロ野球の騒動についてのかなり陳腐なコメント

日本のプロ野球にはすでに十数年前からあまり興味はないのだけど、僕が生まれてこのかたというよりここ50年不変だった12球団2リーグ制が変わろうとしているがそれは何を意味しているのだろうか。かなり陳腐な意見だけど、昨今の日本のプロ野球の合併騒動およ…

女子供は社会のもの――松沢呉一●黒子の部屋・お部屋700

イラク人質事件で日本(だけ?)で起こっている自己責任論に対して断固反対している松沢呉一氏が自身のホームページ・黒子の部屋のお部屋700(2004年04月27日)にて面白い議論を展開しているので紹介。今回のバッシングには「おやじの理屈」「父権主義」のニ…

決算委員会で問うべきこととは何か

「反日的分子」発言の柏村武昭参院議員が自身のホームページで以下のように述べているので、それについてのコメント。 私がイラク人質事件を何故、決算委員会で言ったのか、それを是非ご理解頂きたいのです…決算委員会というのは我々の血税が本当に論理的に…

人質事件・明らかに恥ずかしい発言

Yahoo News:20040426 日本人人質「反日的分子」 参院決算委で柏村武昭議員 自民党の柏村武昭参院議員(60)が26日の参院決算委員会で、イラクで人質にされた日本人について「自衛隊のイラク派遣に公然と反対していた人もいるらしい。もし仮にそうだとし…

イラク人質事件:「人質事件・迷惑論について」エントリーへのコメント

20040416:人質事件・迷惑論について(http://d.hatena.ne.jp/kwkt/20040416#p1)のコメントに対して長い文章を書いたのでエントリーにしようと思います。 # デニム 『「在外邦人の保護」とは、今回においては即ち「退避勧告」ではないのでしょうか? 「危険…

イラク人質事件:人質事件・迷惑論について

やはり基本的な憲法の問題を考える必要があると思う。憲法とは、国民の主権を国家機構(=統治権力)に委譲し、国民の生命と財産の保全を中心として、統治権力に必要な実務を遂行させる上での、国家権力と国民の間の「契約」である。だから物見遊山であろう…

イラク人質事件:政府がイラクに「自衛隊」を「人道支援」で派遣する選択を行った意味

イラクで日本人が拘留され3日以内に自衛隊が撤退しなければ命はないという要求を出してきた。アメリカの同盟国・支援国として起こるべくして起こった事件。政府はこれに対してどう対応するか。 多くの新聞で「極めて卑劣で許し難い犯行。犯人たちはただちに…