女子供は社会のもの――松沢呉一●黒子の部屋・お部屋700

イラク人質事件で日本(だけ?)で起こっている自己責任論に対して断固反対している松沢呉一氏が自身のホームページ・黒子の部屋のお部屋700(2004年04月27日)にて面白い議論を展開しているので紹介。

今回のバッシングには「おやじの理屈」「父権主義」のニオイを私も感じないではいられません。「せっかく国が守ってやろうとしているのに楯突きやがって。しかも、女子供とその家族が」という苦々しさを政治家たちの態度に見ました。
ペコペコしてご機嫌をとっている限り優しくて、小遣いもくれ、どこまでも家族を守りますが、反抗した途端に理不尽なことを言いだして暴力をふるうのがオヤジです。
会社でも、自分よりずっと若い社員や女の社員は庇護の対象であるのに、それが自分より能力があることがわかったり、刃向かったりすると潰そうとするのもオヤジです。
バッシングした人たちも、「オレの言うことを聞かないで、自分で家を出ていったんだから、今さら家に帰りたいだなんて、オレは知るか。だったら謝れ」と威張り散らすオヤジそのものでしょう。
このような意識には個人的には反吐が出ますが、このような意識を持っている人が多いのであろうことが想像に難くないところが悲しいところ(ちなみにカイシャの同じ部ショのオジサンたちの人質事件に対する見解・総意はこれと大差がなかったりする)。このようにならないように「気をつける」のではなく、このような言説のおかしさをしっかり考え続けることが大切な気がします。

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