映画『不都合な真実』鑑賞

kwkt2007-02-01

普段毎月1日の映画の日に意識して映画を観に行くことは少ないのですが、観に行こうと思っていたら月末だったので日時調整して映画『不都合な真実』を見てきました。TOHOシネマズ川崎で鑑賞。デイヴィス・グッゲンハイム監督。


元副大統領でこれまで環境問題に取り組んできたアル・ゴア氏の環境問題啓蒙のための公開講義の内容とその問題に取り組むきっかけとなった彼の半生・経験が描かれたドキュメンタリーとなってました。メッセージがかなりストレートで、普通に観れば普通に地球温暖化問題がヤバいと思える内容となってました。


環境問題プロパーの方々やその筋に詳しい方々からは、観てみるべきだけれど問題も多い、との指摘をちらほら聞きますが、とりあえず温暖化している傾向とそれを対処しなければならないという問題意識はより広く共有されるのではないでしょうか。ゴア氏がプレゼンしている個々のケースや数字の違いを指摘してもあまり意味はない様に思いました。しかしこれは政治問題としても考えられているわけで、昨年末にこちらもドキュメンタリーである映画『ダーウィンの悪夢』を鑑賞しエントリーを書いた際にid:demianさんからコメントをいただいたように*1、ある種政治的な(いやすべての)ドキュメンタリーでは「何が表現されているか」とともに「何が表現されていないか」が問題なのだろうなぁ、と幾分かは心に留めて観ることも必要だろうと思った次第。


さて僕がこの映画でちょっと馴染めなかったのが、ゴア氏が環境問題について講義している会場の雰囲気。おそらくゴア氏を支持する人々の集会で講義が行われているのですが、ゴア氏がいわゆる「ウィットに富んだジョーク」を言うと会場で大爆笑。地球の気温を上昇させるCO2を悪玉にしたてた単純戯画化されたアニメの使用。「これはわれわれアメリカ国民の危機でありわれわれの手でなんとかしなければならない」といったメッセージを聴衆に訴える手法は、映画『アトミック・カフェ』を思い出させました。主張されているテーマは異なりますが、冷戦時代の核兵器もテロも環境問題も何かが同じかもしれないとも思った作品でした。