UPLINK FACTORY・大谷能生のフランス革命(ゲスト・杉田俊介) 参加

フリーターにとって「自由」とは何か渋谷のUPLINK FACTORYで開催された音楽家・音楽評論家の大谷能生氏によるイベント「大谷能生フランス革命」に『フリーターにとって「自由」とは何か』の著者・杉田俊介氏が登場とのことで行ってきました。

UPLINKという場所に今回初めて出向きましたが、1階では食事ができ、奥にギャラリーやイベントスペースがあり、2階では映画が上映されていたりと、そういう文化的なものが好きな方々にとっては大変楽しめるのではないかと思われる場所でした。
今回のトークイベントは大谷能生氏が杉田俊介氏の雑誌に掲載されている文章を読んで関心をもたれたのがきっかけとのことで、70年代の障害者自立運動の話とF・カフカ『変身』から考える無能・不能の哲学についてや不安定就労問題とアメリカでの黒人抵抗運動やジャズのビバップの歴史などとの関連性が語られたり、杉田氏が思考を巡らせるきっかけとなる杉田氏の日常などが語られました。
杉田氏の語りには、自分の「動けなさ」や「出来なさ」を開き直るのでもなく、卑下するのでもなく、対象として客観的に分析してしまうのでもなく、その「どうしようもなさ」を引きずったまま自ら生のリアリティに肉薄しようという志向が感じられます。この「どうしようもなさ」を生み出す自らや環境に何をどう問うていくのかと模索されている姿は、同じような感覚を抱く多くの人々にとって、ひとつの態度として希望であり参考となるのではないかと思います。

追記:2006-06-11

当日配布されたレジメの一部は、以下の杉田氏のBlogのエントリーでした。