映画『LEFT ALONE』第一部鑑賞
id:seijotcpのchikiさんにご紹介頂いた映画『LEFT ALONE』が本日より渋谷ユーロスペースで公開とのこと(レイトショー)。1968年とは何だったのかを当事者の証言を交えて検証する?映画。しかも初日は井土紀州監督、スガ*1秀美氏、松田政男氏の舞台挨拶もあるとのことで、行くことに。
夕方渋谷で用事があったので、ついでにチケットを買って整理番号をもらいにいったら、20:00から受付とのことだったので、19:45くらいまで暇を潰しつつ、19:50ごろにユーロスペースに到着したら、入り口に『LEFT ALONE』の立てかけがあってまだ誰も並んでなかったのでなんと1番先頭に並ぶことに!*2
映画の内容は、日本の戦後左翼史とスガ秀美氏がその当事者(松田政男氏、西部邁氏)や研究者?(鎌田哲哉氏)との対談を通して1968年とはどういう意味を持つのかということを解き明かしていく内容、だろうと思う(というのは第一部は1968年論の前史的構成だった。)。簡単に説明すると
- 1953年スターリンの死後、ソ連共産党二十回大会においてフルシチョフがスターリン批判。
- 全世界の共産主義運動は超衝撃を受ける。
- ハンガリーではスターリニスト官僚支配と蜂起した労働者大衆の直接的衝突へと発展(ハンガリー革命)。
- ソ連軍が介入し蜂起した労働者を鎮圧するという反革命行為が発生。
- それに対してもまたも全世界の共産主義運動は超衝撃を受ける。
これに対して日本では
- 日本共産党指導部はハンガリー労働者を反革命分子であるというソ連共産党官僚を支持。
- スターリン批判とハンガリー革命の衝突を受けて理論と実践のうえで活発であった学生党員が層をなしてスターリニズムと決別、そして日本共産党からの分裂(ニューレフトの発生)。
- プロレタリア革命(旧左翼)から学生運動(新左翼)へ。革命的共産主義者同盟(革共同)、共産主義者同盟(ブント)などが形成。
松田政男氏はこの歴史的変遷の真っ只中を職業革命家として経験してきた者として、西部邁氏は実質1年と自称する学生運動経験とその当時の周囲の状況について、鎌田哲哉氏は吉本×花田論争の意味や大西巨人氏の立ち位置などについて、それぞれスガ秀美氏と対談。途中で柄谷行人氏のスガ秀美氏の笑える評もあった。
個人的には西部邁氏の話を聞いて西部さんはいい人なんだなぁ(笑)と思った。あと映画としてはちと文章読ませすぎな気が。もう少し工夫してほしかった*3。映画で展開された運動史とかはおおかた忘却されてしまっていたり、そもそも知られていなかったりするのではないかと思った。少なくとも僕は勉強になったし。
なお今回は第一部で1968年については触れられなかった。舞台挨拶で松田政男さんが第2部でカッコよく語っていると仰っていたので楽しみ。
- 映画『レフト・アローン』公式サイト:http://www.leftalone.biz/
- 映画『レフト・アローン』紹介サイト:http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=5427
- 成城トランスカレッジ!―戯言@はてな―
- 2005-02-05 本日解禁。:http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20050205
- 2005-02-06 見た、いた、買った。:http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20050206
- 音読日記 西部さんはいい人メモ:http://d.hatena.ne.jp/fog10/20050207#1107749203