映画『春夏秋冬そして春』鑑賞

宮台真司氏が絶賛しているキム・ギドク監督の『春夏秋冬そして春』を渋谷東BUNKAMURAのル・シネマで鑑賞。
この前のビデオで見た相米慎二監督『お引越し』同様、通過儀礼が描かれた作品。韓国の山奥の特殊な環境で起こる(現代からすれば)特殊なお話なのだけれど、春:幼少期、夏:思春期、秋:壮年期、冬:老年(中年?)期でストーリーが構成され、エピソードには人間の業の象徴性と寓意に満ちており、主人公が自分のどうしようもなさを受け入れるとともに、僕ら観客も同様にそれらを備えていることを再認識させられる作品。説教臭さなどは微塵もなく寓意が沁みて来る。
見た後で知ったのだけれど、冬の場面はキム・ギドク監督自身が演じているとのこと。
キム・ギドク監督の作品は今回初めて見たのだけれど、他の作品も観てみようと思う。