宮台真司『絶望 断念 福音 映画』発売

僕にとっては待望の宮台真司ダ・ヴィンチ誌上の連載「オン・ザ・ブリッジ」を単行本化した『絶望 断念 福音 映画』がメディア・ファクトリーから発売された。映画を題材にして、社会システム理論における「社会」と「世界」の違いに敏感になって行くための、『サイファ 覚醒せよ』の各論版と言っていい内容。
何が書いてあるか摘みたい方は「第5回 複数の映画や小説に見出される同一のモチーフに、“社会”よりも“世界”に敏感であることの必要性を見る」を参照していただきたい。おそらく「まえがき」以上に本書のモチーフが書かれてあるように思う。
極めて個人的なことで申し訳ないのだけれど、奇しくも昨日は、この本の第5回の言葉を借りて述べるならば、僕が「社会」から「世界」へ「黙示録的」に開かれ「福音」への端緒が「訪れた」日から丁度10年だった(と思う)。新しい区切りの時に本書が読めるのは大変嬉しいという他はない。まあ僕のことはどうでもいいとして、映画好きを自認される方も読んでみると映画を見る幅が広がると思うのでお勧め。なおダ・ヴィンチの連載は今のところ「永久に」続く予定らしい。


>> MIYADAI.com 20040805 http://www.miyadai.com/index.php?blogid=1&archive=2004-8-5