五輪サッカー 中止の危機回避

あまり目立った話題ではなかったけど、アテネオリンピックにおけるサッカー開催中止の危機が、FIFA国際サッカー連盟)がWADA(世界反ドーピング機構)の「ドーピングに関する統一規定への署名」に合意することで、回避され本大会で開催されることとなった。WADAのドーピングに関する規定は「禁止薬物を使用した選手に対して、一律2年間の出場停止処分を科す」というものだったのに対して、FIFAはサッカーでは個別で事情が違うと主張していたもの。今回はFIFAがWADAの規定に従った形となった。

サッカー界でのオリンピックの位置づけは微妙なものがある。そもそもオリンピックはアマチュアの大会でプロ選手の参加は認められていなかったが、96年のアトランタオリンピックからプロ選手の参加が検討され、FIFAはワールドカップと区別するためU-23(23歳以下)のカテゴリーの世界大会とした(オーバーエイジ3名適用可能)。当初は若い選手の発掘の場とも思われたが、現在若手の発掘の場として機能しているのはW杯、オリンピックの開催されない年に2年に一度開催されるU-21(21歳以下)のワールドユース選手権。そこでヨーロッパ・南米の選手は大概発掘され、ヨーロッパの若手の有望株はオリンピックの同時期に開催されるEURO(ヨーロッパ選手権)の方に参加する(つまりオリンピックに参加するヨーロッパの選手は一軍半)。オリンピックはアフリカ・アジア・それ以外の地区でいまだ発掘されていない選手がクローズアップされる大会といったイメージが強い。そういう意味では日本は国際大会で上位に勝ち抜く、あるいはメダルを取るチャンスともいえるが、実は日本で騒ぐほど世界的に評価されているわけではないことは割り引いて考える必要がある。

それでもこの前のアジア最終予選は僕はけっこう感動したし、選手の頑張りが無駄にならなかったことを嬉しく思ったりする。ちょっとだけ心配していたのだけど、サッカー中止の危機が回避されてよかった。

SPOTSNAVI.com:FIFAが統一コード調印 世界反ドーピング機関と
Yahoo!スポーツ:
FIFA、WADAの規定に合意 サッカーの五輪問題が解決
アテネ五輪からサッカーが除外される危険性が