雑誌『VOL』出版記念・「脱‐政治化」する現在をめぐって 参加

VOL 01青山ブックセンターで開催された雑誌『VOL』出版記念トーク「『脱‐政治化』する現在をめぐって」に行ってきました。トークのパネラーは萱野稔人氏、渋谷望氏、平沢剛氏のお三方。
行政・警察など制度内において可能的選択肢の中ですべての物事が判断・処理・運用されていく「政治的」なるものと、「可能的な」選択肢とありうべき・望むべき「想像的な」選択肢の間で常に対立が発生する「政治」の場という区分がなされました。
政治、報道、表現、芸術など社会のあらゆるものが「脱-政治化」され、現状の制度を基にした可能な選択肢しか提示されず、想像的な選択肢との対立による陶冶がない状況が示されまれした。その「政治的」なるものが氾濫する中で、何らかの形で想像力を喚起し、想像的な選択肢を現実化させるための一助となることを目指し雑誌『VOL』は編集されたとのことです。
基本テーマとして「脱-政治化」状況が語られ、個別的な内容としては、創刊号の特集内に文章があるJ・ランシエールの紹介、萱野氏のテーマである「国家と暴力」について、アヴァン・ガーデニングの思想、次号のベーシック・インカムの話など、雑誌の内容およびそれらから派生することが中心に語られました。まあ詳細は雑誌を買って読みましょうと言うことでw。『VOL』創刊号は先日購入しておりましたので、ぱらぱらと内容をめくりながらトークを聞いておりました。

今週もPIZZERIA UNOでピザを食べる

先週に引き続き*1、今週もPIZZERIA UNOに知人を連れてピザを食べに行きました。こんなうまいピザは誰かに食べさせないわけにはいかないと。本日も半熟たまごを上にかけるピザでかつ先週食べたものとは別の「ビスマルク」というものを食べましたが美味過ぎです。お店のレンガ造りの釜で焼いていて生地とチーズが抜群、ピザってこんなに美味しいんだって思えるよいお店です。

06W杯企画・kawakitaの注目選手 第5回:エメルソン・フェレイラ(ブラジル)

エメルソン・フェレイラ選手 06W杯企画・kawakitaの注目選手最終回はブラジルのMF・エメルソン選手です。ブラジルと言えば、今大会では優勝候補の筆頭に挙げられていますが、僕はブラジルが優勝するにはエメルソン選手の出来にかかっていると思っております。ブラジルのフォーメーションは時に変化はありますが、基本的には4-4-2、つまり4人のDF、4人のMF、2人のFWという構成ですが、4人のMFはボックス型と言って攻撃的MF2人、守備的MF2人と役割分担がなされ4人が四角形でならび4-2-2-2と標記することもできます。今回のブラジルは2人のFW、2人の攻撃的MFにロナウドアドリアーノロナウジーニョ、カカ、ロビーニョと世界的な選手が勢揃いし、かつ両サイドバックロベルト・カルロスカフーとこれまた世界的に実力のある攻撃参加をみせるサイドバックがいるため、攻撃能力という観点から見る限り今大会の中で突出しています。
サッカーの面白いところは、攻撃能力がすばらしいという長所ゆえに守りが薄くなってしまうという欠点が登場するのですが、そこでブラジルの守備的MFには大きな負担がかかります。ブラジルに限らずここのポジションの選手の出来不出来がチームを左右すると言って過言ではないのです。
守備的MFは基本的には相手からボールを奪うのが得意な選手が担うのですが、「ボランチ(舵取り)」と呼ばれるパス回しで全体を統括する選手が存在します。ブラジルでは伝統的に、2人の守備的MFの位置に、ひとりは献身的な運動量でボールを奪いに行くタイプ、もうひとりは運動量とともにパスまわしで全体のハンドルを握るボランチタイプを配します(90年代にはドゥンガという名選手がおりました)。相手からボールを奪い、まず最初に攻撃の選手にパスを出したり、味方を落ち着かせるためにボールを回したり、とかなり高度な状況判断とチーム全体への視野が求められる現代サッカーにおける最重要ポジションです。
エメルソン選手はドゥンガの正統的後継と言えるボランチの選手です。その能力の高さは、ヨーロッパの様々なビッグクラブで監督をしているファビオ・カペッロ監督が、イタリア・セリエAのローマの監督時代にエメルソン選手の獲得を切望し、カペッロ監督が同じイタリアのユベントスに移籍した際にエメルソン選手のローマからの獲得が条件だったと言われるほどです。運動量、パス回しの視野の広さ、ボールさばきの巧みさなど、ボランチに必要な能力がほぼすべて整っている現代最高のボランチの一人と言ってよいでしょう。
02W杯のときは、ブラジルは優勝したのですが、エメルソン選手は大会前の練習でなぜかキーパーを務めミニゲームでボールを止めようとしてポストに肩をぶつけて脱臼して離脱・不参加という笑えない過去もありますが、前回大会同様、今大会も実はブラジルの命運を握っている選手であることには変わりないでしょう。
ブラジルはエメルソン選手の相棒の守備的MFのゼ・ロベルト選手が実は攻撃的な選手で、ブラジル伝統のボランチの相方・献身的な守備をしボールを奪いに行く選手とは必ずしも言いがたいところがあり、エメルソン選手の負担過剰になる可能性があるところが実は弱点になるのではないかと思っております。ついでに言うなら両サイドバックが攻撃が得意なため上がり過ぎるのもカウンターを食らう要因になり、ますますボランチの選手がカバーしなければなりません。ブラジルが全体的に機能するために必須の選手がエメルソン選手ということなのです。
背番号はブラジルのボランチを示す5番。ブラジルの前線だけでなく中盤の後方の選手にもぜひご注目を。

KawakitaのBookmark(2006/05/29-06/04)