映画『ベルリン、僕らの革命』鑑賞

kwkt2005-05-04

映画『グッバイ、レーニン!』以来のドイツで大ヒットの映画であり、主演も同じダニエル・ブリュールということで、ハンス・ワインガルトナー監督『ベルリン、僕らの革命』を渋谷のbunkamuraのル・シネマに観に行った。
ストーリーは関連サイトや実際観に行っていただくのに任せるとして、ダニエル・ブリュールが主演した今回のドイツ・オーストリア合作の『ベルリン、僕らの革命』も『グッバイ、レーニン!』も、東西のドイツが統一して社会が自由主義・資本主義に染まってしまった後であるがゆえの社会主義回顧・心的回帰を描いているように思う。いや、その言い方が適切でないとすれば、「自由化して急激に社会が変化してしまった後(回顧的にのみ振り返ることのできることではあるけれども)、我々は何を失ってしまったのか」というテーマを描いているように思う*1
(やらないと言いつつネタバレしてしまえば)そして今回の映画の主人公たちが行っていることを、引いた立場から見れば「革命」などとは全く程遠いほどにショボいとしか言いようがない。しかしそれこそが、僕らに事後的にであれ何かを失わせてしまったと思わせる「もの」に対して抵抗することの困難を絶望的に提示しているようにも思う。
よろしければすでにレンタル可能な『グッバイ、レーニン!*2』とともにどうぞ。

*1:安易に言えないかもしれないけれど、このテーマは現在南北にわかれている朝鮮半島の国家が統一したときにもおそらく繰り返されるのではないかと思う。

*2:グッバイ、レーニン!』公式サイト:http://www.gaga.ne.jp/lenin/