山田昌弘『希望格差社会』購入

希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂くとあるところのchatでご一緒させていただいたid:ueyamakzkさんに紹介していただいた山田昌弘氏の『希望格差社会』を購入。
山田昌弘氏といえば著作『パラサイト・シングルの時代』で有名な家族社会学者だけれど、『家族のリストラクチュアリング―21世紀の夫婦・親子はどう生き残るか』とか『家族というリスク』を読んでそれまでの自分の持っていた漠然とした家族イメージを一新させられた記憶がある。僕もいわゆる近代的核家族で育てられ、その家族イメージが一般的だと漠然と思っていた一人だったので、その「驚き」と「断念」と「ちょっとした解放」はなかなか衝撃的ですらあった。
山田昌弘氏のみならず多くの社会学者がこれから展開するであろう(新しく見える?)社会のイメージを鋭利に語ってくれる。社会も実際に変わってゆく。しかし僕らはすぐに変われるわけではない。前の制度や社会の中にいた頃の惰性的・慣性的実存は根強く残っていると言っていい。であるからこそ、新奇に見えるものを無条件に否定せず、また無条件に受け入れるでもない、公平かつ冷静な眼差しをもって新しい社会を生きていきたいと願う。山田昌弘氏の著作は「家族」というテーマでその視点を提供してくれる。
今回は(多分大いに関係していると思うけど)「家族」というよりは、より大きな「社会」の話のようで、どんな新たな社会像が自分に提示されるのか楽しみ(であり恐ろしかったりする)。