ロフトプラスワン「魁 ネットナンパ塾」

12月のミヤダイイベント第3弾でロフトプラスワンに行った。内容は宮台氏もインタビューで出演しているDVD『完全ナンパ実践講座 ネットナンパ編』発売記念イベント。久しぶりに政治以外のネタを話す宮台氏を見に行った。そのDVDのパッケージには特別講師:宮台真司と書いてあったが本人は知らなかったらしい(笑)。またDVDは自宅に送られたはずになっていたが、もしかしたら母親が部屋を片付けに来たときに捨てられたかも、と言っていた。中学時代にはベットの下のエロ本を、大学院時代にはテレクラの会員証50枚を母親に勝手に捨てられたらしい(笑)。
DVDの主役(?)を演じている(というより実践している)深笛義也氏も非常に面白い人だった。あるものを経て(後述)教育ライターになり、その次にナンパライターになり、現在カリスマ(?)ネットナンパ師に至ると言う経歴の持ち主。DVDの中ではヤラセなしでネットナンパを実践しその極意を披露しているとのこと。
最初はこの二人のトーク。内容はここに書いていいのやら?というようなもの。主題は「ネットナンパにおいて男は「食っている」のか?「食われて」いるのか?」。両氏とも「男は確実に食われてる!」と力説していた(笑)。その後、宮台真司は1時間ほどで退出。
次に登場したのは自傷系極右作家・雨宮処凛アマミヤ・カリン)氏と、獄中で「天皇ごっこ」なる怪作を書き上げた、極右のテロリストの名をほしいままにする見沢知廉氏。この二人もぜひ一度見てみたかった。
カリスマネットナンパ師・深笛義也氏と見沢知廉氏は25〜6年前、極左成田闘争セクトで知り合ったらしい。見沢知廉氏は当時はレーニン主義だったが転向されて現在は極右に至っている。雨宮処凛氏も書き尽くせないほどの紆余曲折を経て右翼に至った人物。現在は小説家としても有名だとおもう。深笛氏と雨宮氏がはじめて会ったのが深笛氏が見沢氏に連れて行かれた「軍国キャバクラ(笑)」。当時(右翼だけあって)雨宮氏はここでバイトしていたらしい。店内は軍歌が延々と流れていて、みんなで匍匐前進する匍匐前進タイムや竹やりタイム(竹やりでスカートをめくるタイム(笑))があったらしいが、もうつぶれているとのこと。
なぜか話はネットナンパから極右・極左の話になり、わけのわからない展開になったが、それはそれで面白かった。
しかし一見脈絡なく見える展開だが、実は僕は大いに納得するところがあった。
以前宮台氏が以下のことを書いていた。

新人類は、あえてする「しかない」ところに追い込まれた世代です。分かりやすい例をもう一つ。僕ら新人類世代を一番広くとるなら押井守あたりまで入るけど、彼が「祭りが終わった後」と言うでしょう。僕が麻布中学に入ったときは中学高校紛争で、中学一年のときは半年間ロックアウトで授業がなかった。七三年まで三年間ゴタゴタが続いて、中一のときから党派の機関紙とかマルクスの『共産党宣言』とか読んで、さあこれから暴れるぞって思った瞬間に、祭りが終わる。「えっ、ここで終わるの?」ってなっちゃった。
 でも勢いはついちゃっている。この政治少年たちがどこへ行ったかというと、性の方へ行ったわけ。そうなんですよ。麻布っていう場所で見てると本当によく分かって、さっきの「ネタからベタへ」じゃないけれど、「政から性へ」なんです(笑)。そっちへドーンと行った。八〇年代半ばのAVを支えた連中やナンパカメラマンには僕の同世代が多いけど、元政治少年が多いんですよ。特にナンパカメラマンはおもしろくて、政治から性へ行ったのが多いだけでなく、もう一つある。寝台特急あさかぜとかを撮るっていう鉄道写真ブームがあったでしょ。同時期にスーパーカーブームも来る。七〇年代半ばの話ですね。ナンパカメラマンって、小学生時代はスーパーカー撮って、中高生時代は全国で鉄道撮って、その段階でヴィークルのロマンが消えちゃって、つんのめって「女を撮る」に行ったのが少なくない。

深笛氏も見沢氏も宮台氏も40代前半。みな同じ世代で、何かが過剰でなにかがぶっ飛んだ活動をしているのだ。たしかにこの世代と比べると、それ以降の世代はベタでおとなしいのだろうと思った。そんなことを確認できたかなり変な一夜であった。ロフトプラスワンはいかがわしくて非常によい。