司法書士無料相談

四谷にある司法書士会館なるところで、友人が無料相談に行った。僕は少額訴訟の言いだしっぺで、乗りかけた船だし、事の顛末も興味深いのし、いろいろ勉強になるので(友人了承済み)連れて行ってもらった。


無料相談は毎週水・土の数時間行われているようで、友人が前もって電話で予約し、司法書士会館に向かうことになった。館内にはいくつかブースで仕切られていて相談できるスペースが作られていた。待っていたのは司法書士らしきオジサンとそれをサポートしている若手の二人だった。まず友人が経緯を話し、現在はお金を貸した記録が手元にないが証拠はできるのかを聞いてみた。

経緯は、
・友人が数年間に渡って合計30万円のお金をAに貸している。
・いつ貸したかは憶えているが、記録は何も残っていない。
・Aの住所・勤務先はわかっている
というもの。
話を聞いてみると、証拠はメールのやりとり程度でもOKとのこと。「そういえば昔お金30万円を●○という理由で貸したよね」「そうだった。帰すつもりでいるんだけど」とこれだけでも証拠になるようだ。あとは訴える側がいつ貸したかというメモでも作って少額訴訟時にもっていけば十分な証拠になるみたいだ。なぜメモが必要かというと、裁判時にもし相手が「メールでは了承したけど実は借りていない」と主張した場合、裁判官の判断の助けとしてメモがあれば「●年○月に△△という理由で借りてますよね?」と相手の前で確認されるからだ。事実なのに白を切っているかどうか裁判官が判断するらしい。神業のようにも恣意的判断のようにも見えないことはないが(笑)、一般市民が法廷でお金を貸りた相手の前で裁判官に質問されて、白を切ってもばれることが多いようだ。だから記憶であれ貸した期日・金額のメモを作成したほうがよいようだ。

司法書士らしきオジサンはお金を貸すときは書面を作るか、公正証書を作成するのが望ましい、と言っていたけど、ビジネスでない限り友人間でそんなことは普通しないしなぁ。あとこのオジサン最初に頭に20万円がインプットされたらしく、こちらが30万と言ってもずっと20万と言っていた(笑)。若手のサポートの人も大変だ(笑)。

証拠がコストをかけずにすぐできそうなことを聞いて友人も訴訟に向けて安心したようだった。僕は好奇心から内容証明郵便はどうなるんだろうと思って聞いてみたら、訴える前に送ればそれでいいとのことだった。内容証明郵便に「本書到達後、○年△月×日までに○○銀行●支店普通×××××××まで30万円をご返済ください。もし期日までに振込まれない場合は法的手続きをとらせていただきます。」と書いておくようにとのことだった。実はこれだけで威力十分らしいので、少額訴訟を確実に起こしたいなら(=裁判所の判決を得て強制執行も可能にするためであれば)、内容証明郵便は省略して、相手を訴えることになるかもしれない。これはぶしつけのように見えるかもしれないが、個人的に何度も督促されていても帰さない相手方が悪いと見るべきであろう。実際どうするかは友人の判断に委ねられている。

なので順番としては
1.少額訴訟のための証拠作り(メール、メモ)
2.内容証明郵便(でもこれは省略可)
3.少額訴訟(一日で結審)
4.お金の返済(判決に従わない場合は強制執行
となる。

強制執行の場合はまた手続きが必要なのでまた来なさい、と司法書士らしきオジサンが言っていた。

少額訴訟は、
・相手がお金を借りている認識をもっているという記録
・(あれば)お金を貸した期日・金額の記録
・訴訟相手の住所と(あれば)勤務先
があれば簡単に起こせるようだ。個人的には非常に勉強になった。

さて今後の展開はどうなっていくか。