サトウ君に遇う

今日は仕事が定時になってすぐに帰ろうと思っていた。でも一緒に仕事をしている上の人や部チョーが会議を催してなかなか帰してくれない。仕方ないので付き合う。お腹がすいた。家に帰って自炊すると食事が遅くなりそうだったので、帰りになぜか普段ならまず行かない近くのちょっと小奇麗な中華料理屋に行ってみた。するとどこかで見たことがある人が僕に声をかけてきた。大学で同じクラス(6組!)だったサトウ君らしい。でもサ行のサトウ君はたくさんいたのでもちろん下の名前が思いつかない。サトウ君は僕がカワキタであることは知っていた。しかし近くで働いているとは。サトウ君は就職で東京に来て、転職して今の職場にいるらしい。最寄の駅は同じ地下鉄東西線東陽町。しかも沿線。おもいっきり近い。彼は僕が何をしているのか?どこに住んでいるのか?などありきたりな質問をしてきたのでそれなりに会話はつながった。それにしてもサトウ君の下の名前が思い浮かばない。昔しゃべった記憶もあまりない。事務的な会話はしたことがあるかもしれないがそれ以上でもそれ以下でもない。困った。そうだ!社会人になったのだから名刺交換だ!そうすれば名前がわかる。そう思い僕から社会人らしく(笑)名刺交換。サトウ君も名刺をくれた。サトウ君の下の名前はタカアキだった。多分初めて知った(笑)。近いのでまた会えたらと言って別れた。また会うのかな(笑)?何を話すんだろう?彼は東京でQ大の人に会うなんてびっくり、と言っていた。普段なら確実に行かなかった場所なのに何かに呼び寄せられるように赴いた店で偶然遇うなんて、まあ確かに変な感じではある。しかし僕の前に「記号」として現れたサトウ君は、会話した限りでは、自分の仕事の忙しさと大学の同期の行っている会社の規模や職種、業務の忙しさばかりが気になっている「Q大卒業生の記号」そのものだった。明日も仕事だ、さあ寝よ。