サッカー・対戦前夜の言説二つ


この対戦に政治的意味があるとすればこういうこと。

 FIFAの世界ランクでは日本19位、北朝鮮97位。評論家の多くは「日本勝利」を予想するが、何が起こるか分からないのがサッカー。慎さんは「試合後、北朝鮮の選手が1人でも日本の選手と握手して帰ってくれればそれだけで意味があると思う。そのシーンを在日朝鮮人の子供たちが見れば、意識が変わる。スポーツは時に政治ができないことをやることがあるのではないでしょうか」と話す。

こちらはサッカーファンなら当然の認識を紹介してくれている。

 それにしても、この北朝鮮代表に対するメディアのハシャギぶりは、どうだろう?
 ことさら「謎のチーム」と煽り立てたり、拉致問題をはじめとする政治的言説を巧みに織り込んだりしていることについては、きっと多くのサッカーファンが辟易とさせられているはずだ。それが単に「最終予選を盛り上げよう」というサッカー寄りの意図によるものであれば、まだ理解もできる。しかし、昨今の報道に関しては「サッカーにかこつけて」ただ北朝鮮に欲情しているだけのように、私には思えてならないのである。

 結局のところ、今日の取材ではネタばかり拾ってきたものの「北朝鮮代表の本質に迫るもの」は、何一つ得ることはできなかった。まあ、そんなものだろう。あえて「一番の収穫」を挙げるならば、それは「北朝鮮代表は普通のチームである」という事実のみであった。いや、実はそれこそが、一番の収穫なのかもしれないのだが。
 日本代表は、決して案ずることはない。(逆に)これまで実践してきた「自分たちのサッカー」を押し通せば、9日の相手は決して恐れるものではないはずだ。

これらは先日も言及した通り*1

 ゆえに日本サポーターは、キレイ事抜きにして在日サポーターに「パッチギ(頭突き)」のような応援とブーイングを繰り広げるべきである。それがあって初めて、他者への認識が、より深まっていく。この試合に関しては「冷静に対応して、サッカーを楽しんで」という官房長官の無知丸出しの発言よりも、「今まで以上に相手(北朝鮮)にブーイングしてほしい」という日本サッカー協会会長の発言を、私は断固として支持したい。

これには同意。激烈に闘ってわかりあえることも、ある

*1:2005-02-07 もうすぐW杯アジア最終予選開始:http://d.hatena.ne.jp/kwkt/20050207#p2