スガ秀実氏+花咲政之輔氏+松沢呉一氏「フーゾクと大学」 参加

ネオリベ化する公共圏―壊滅する大学・市民社会からの自律ジュンク堂で開催された『ネオリベ化する公共圏―破滅する大学・市民社会からの自律』(明石書店)の刊行記念のスガ秀実氏、花咲政之輔氏、松沢呉一氏によるトークイベント「フーゾクと大学」に行ってきました。
ネオリベ化する公共圏』は2005年12月20日早稲田大学の文学部におけるビラ配り青年への不当逮捕に対する活動の一環で執筆されたそうですが、松沢呉一氏も加わって「フーゾクと大学」を題材に管理や規制が蔓延する状況について語られました。


※要注:以下のものは私が見聞きしてきたことを書き留めたものであり、発言者の真意を正確に反映しているとは限りません。
まずは『ネオリベ化する公共圏』の執筆経緯の説明。

スガ秀実氏によればこれは大学だけの問題ではなく公共空間が縮滅しており、「ネオリベ」という言葉で現代を批判していればよいというような状況ではなくシビアな問題があると思われるとのことです。
その一例として風俗産業の規制について松沢呉一氏から説明がありました。

また『ネオリベ化する公共圏』で扱えなかった問題としてセクハラの問題も語られていました。

  • 大学にどうしょうもない・ろくでもないセクハラがあるのは確か。
  • アメリカでは「人事権など上下の関係があり」「拒否している意思表示があるにも関わらず強要」というのが条件。
  • 日本では各大学はセクシャルハラスメントガイドラインを設置しているが、基準が曖昧なため相手が嫌だといったらセクハラになる可能性がある。
  • 「拒否している意思表示があるにも関わらず強要」という項目を除いて拡大解釈し学内の管理に利用されている。

松沢呉一氏が説明されたアメリカでのセクハラとフェミニストの関係が大変興味深かったです。

  • アメリカでは不快な性的なものはすべて排除という傾向が進行中。
  • しかしフェミニストの大半がセクハラ規定に対して反対。
    • 法学部の妊婦惨殺事件を扱った試験問題がセクハラだとの訴えが挙がったが、それに対して別の女生徒たちが反対に回った。
    • もし女性がそのような事件に耐えられないならば女性は法律家になれないことになる。
  • 「不快な性的なものはすべて排除」という傾向は女性に家にいろというメッセージに繋がってしまいかねない。
  • あとになって「あれはセクハラだった」という言い分を認めてしまうことも問題。
    • それを認めれば女性の意思表示が軽んじられ契約を交わせなくなる。
    • 女性は意思表示ができない存在とされてしまう可能性がある。
  • アメリカのフェミニストはセクハラ問題を拡大させると女が生きられない社会になるという認識が明確にある。

それに対する日本の状況も説明されました。

エロと青少年の問題での規制はフリーパスになっており既成事実は積み重なっている現状を中心に、その他「健康問題」「エロ広告の印刷問題」「サウンドデモ問題」「法政大学(3/14)29名不当逮捕問題」「インターネット規制問題」など多くのことが語られました。


※要注:以上のものは私が見聞きしてきたことを書き留めたものであり、発言者の真意を正確に反映しているとは限りません。