蓮實重彦とことん日本映画を語るVOL.14「映画において、男女はいかにして横たわるか」参加

青山ブックセンターで開催された蓮實重彦氏が映像とともに映画について語るトークイベント・蓮實重彦とことん日本映画を語るVOL.14「映画において、男女はいかにして横たわるか‐やくざ映画からにっかつロマンポルノへ‐」に行ってきました。


映画においては、造形的に男女が二人で横たわっているシーンはなかなか画面に収まらず、かつ、制度的な意味で男女が同時に横たわることを執拗に避けてきた歴史があるそうです。多くの場合では一人が横たわり一人が傍に立っていたり座っていたりして見守るシーンが撮られ、その場面は生と死が関係しているとのことです。
まず映画で撮られてきた「横たわる」男女の基本構図の説明がなされました。

  • 映画の中で男女二人が横たわることの困難(多くは女性が横たわり、男性がその傍に立っていたり座っていたりするシーンとなる)

やくざ映画において「横たわる」とは「死」を意味するとのことです。

にっかつロマンポルノは70分程度の映画内に6〜7回男女のシーンを入れればあとは監督は何をしてもよいという野放図さから、ひとつのジャンルにまとめられない多様さがあり、しかるべき監督が撮った作品には秀逸な見るべきシーンがあるとのことです。

映画において横たわる人間をスクリーンに収めることの難しさとその意味するところが語られたように思います。

追記:2006-04-16

以下のサイトに当日の詳細な内容レポがあります。

※上記サイトで使用されている画像は、前述のカール・ドライヤー監督『奇跡』における死んで横たわっている女性が男性の祈りで生き返る場面です。