速水由紀子×姜尚中トークライブ「負け犬からワン婚へ ―ハッピーなパートナー選びを考える」参加

ワン婚―犬を飼うように、男と暮らしたい青山ブックセンターで行われた速水由紀子×姜尚中トークライブ「負け犬からワン婚へ ―ハッピーなパートナー選びを考える」に参加してきました。新しく店内にできた定員40名のレクチャールームで、平日ということで満員ではなかったけれど、男性数名、9割方女性という客層でした。速水氏は「ここに来ている多くの女性の方は姜さんのファンなんですよね。」と発言し、姜氏はそんなことはないと謙遜されていたけれど、9割方女性というここまであからさまな客層はカン様*1以外集められないと思いました。あと速水氏は、これまで読んだ文章や本・雑誌記事のタイトルなどからけっこう怖い人かななんて勝手に印象を抱いていたわけですが、話し振りを聞くにつけとてもチャーミングな方でした。トークイベントのいいところはそういう文章のイメージだけで抱いている印象が壊れるところにあります。


トークでは、姜氏の奥様とお子さんのお話を聞くことができました。奥様とは、速水氏も羨むほどの純愛のようで、気づいたら一緒になっていて30年経ってしまったと仰ってました。そして相手をかけがえのない相手と思えるためには年月を重ねていくことが重要であり、その歴史性が、相手が何をなすか何を持っているかなど相手を入れ替え可能なパフォーマンスで評価をすることをしなくなるための契機となる主張されていました。その歴史性を積重ねるために相手に裏切られるかもしれない、相手に別に好きな人ができるかもしれないという偶発性にさらされながらも、己をその関係へ「賭け」ることが必要となると。
ただ速水氏が紹介された取材の例では、最近はリスクヘッジのため蛸足化して付き合ってしまうので関係の蓄積ができず、かけがえのない関係を欲しているにもかかわらず、相手がほんとうにかけがえのない相手なのかわからなくなり、それであるがゆえに「純愛」ブームになっているのではないかという分析がなされておりました。


姜氏は男女の話からいつのまにか日本と北朝鮮朝鮮半島の南北統一の問題も絡めて話されはじめ、聞いていて「あれ?今日はワン婚の話だったよな?」と思い出さなければならなかったこともしばしば(笑)。そういう意味で姜氏の(奥様への、家族への、そして仕事への)想いの強さが伝わってくるトークでした。