森達也氏×鈴木邦男氏トークセッション「『近代天皇制』と『愛国心』」 参加
ジュンク堂のブックフェア「近代天皇制を問い直す―その来し方・行く末」に連動して開催された森達也氏と鈴木邦男氏によるトークセッション「『近代天皇制』と『愛国心』」に行ってきました。
真の右翼とは何かを問い続けられている鈴木邦男氏と、現代の「居心地の悪さ」を問い続られている森達也氏が、天皇制と愛国心・ナショナリズムについて対話されていました。
※要注:以下のものは私が見聞きしてきたことを書き留めたものであり、発言者の真意を正確に反映しているとは限りません。
昭和天皇発言メモと「おことば」問題をどう考えるか
- 島田雅彦氏の『おことば』という著作がある。昭和天皇、今上天皇、皇室の人々、元皇族の人々の折々の言葉をまとめたもの。これを読むといろいろなことがわかってくる。
- 私的なメモで随分歴史は変わってくる。昭和天皇はマッカーサーとの対話の記録を一切残していないが、マッカーサーの私的な回顧録で昭和天皇は「自分の身はどうなってもいいので国民を助けてくれ」と述べたと書いている。
- 回顧録が出るまでは左翼から「その発言は嘘である」と言われ続けていた。
- 公式な発言・記録を重視し、私的な言葉・日記・メモの類は無視すべきだという人がいるが、公的な発言でも自分たちに都合のいい部分だけをとりあげて守ろうとする。それは天皇制を守っているのではなくて自分を守っていることになる。それは天皇(制)を否定するようなもの。天皇制を利用した小さな争いが続いている。
- 天皇制はこれまでも権力に政治的に利用される客体だった。天皇はなかなか自分の意志を示せないのに、周囲は天皇の求心力があると思い込んでしまっている危険なシステム。この擬似求心的なシステムはしばしば暴走し組織として抑止できなくなる。
- 現在は天皇抜きのナショナリズムが進行しつつある。しかし天皇なしのナショナリズムは危険では。現在のポピュリズム政治がファシズムとして暴走しないのは、政治的な制度としてではないにしても、どこか心理的なものとして天皇の存在があるからではないか。
- 過去形だけでなく現在形の天皇がどう思っているかもいろいろと資料を開示してよいのでは。もう反天皇制の人もほとんどいないのでタブー化する必要もないのでは。
- 今上天皇は様々なことに関してどう思われているのか、政治的な意味ではなく、理由を聞いてもいいのでは。今上天皇はギリギリのところで一生懸命サインを発信されている。天皇制に政治が影響される傾向があるならば、天皇陛下がどのようなことを考えているか知れるようにすべきでは。
- むしろ天皇陛下がリベラルな発言をしたら、右翼が「それは違うはずだ」と反天皇制的なことをやっている。かつては神として奉り上げ、人間宣言後は何も言わずに手を振っていればいいとロボットにしようとしている。ここに不忠・不敬は極まっている。天皇支持論者が最も不忠・不敬なのだからタブーはないのでは。
※要注:以上のものは私が見聞きしてきたことを書き留めたものであり、発言者の真意を正確に反映しているとは限りません。
そのほかにもアレクサンドル・ソクーロフ監督の映画『太陽』の話、フジNONFIXで森達也氏が天皇陛下にインタビューしようとした話(企画は立ち消えとのこと)、ボクシング亀田判定後のカメラ問題その他テレビ・メディアの問題など多岐に渡ることが話され、大変勉強になりました。
- 鈴木邦男をぶっとばせ!blog出張所
従姉妹と食事、その他
本日は在京の従姉妹たちと集まって、アメリカ料理(?)が食べられるSizzler新宿三井ビル店でお食事しながら近況やどうでもいいことを雑談。19:00から一旦僕は上記イベントへ、従姉妹たちは僕がオススメしたテアトル新宿へ映画『時をかける少女』鑑賞へ。その後また合流してケーキを食べつつ映画の話などしておりました。
- Sizzler
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